谷中、根津、千駄木、まとめて谷根千と呼ばれるこの一帯は、1923年の関東大震災にも1945年の空襲にも消されなかった、戦前の東京のもっとも大きな断片です。3つの町は上野の北の台地にあり、17世紀に幕府が数多くの寺をここへ移しました。寺と寺の間の路地には木造の家や職人が住み着き、のちには坂の上の大学に通う作家や画家たちも暮らすようになりました。今、それらの家には、酒屋だった建物を使ったカフェ、週末に開放される彫刻家のアトリエ、古い銭湯のギャラリー、そして街のシンボルになった本物と陶器の猫たちがいます。
定番のルートは、日暮里駅から霊園を抜けるコースです。桜の下には徳川慶喜が眠っています。夕暮れどきに夕やけだんだんの階段を下りれば、そこは谷中銀座。コロッケを売る窓口、お茶屋、箸だけを売る店が並ぶ170メートルの商店街です。そこから南へ歩けば、朱色の鳥居のトンネルと3,000株のつつじで知られる根津神社へ。東へ向かえば千駄木の古書店を抜けて朝倉彫塑館へ。谷中はゆったりとして低層で、店じまいも早い街です。多くの旅行者がもう残っていないと思っていた東京が、ここにあります。
- 夕日が沈むころ、夕やけだんだんを下りて谷中銀座へ
- 100メートルごとにひとつ、谷中に70ある寺を訪ね歩く
- 精肉店の窓口で250円のメンチカツを立ったまま頬張る
- 4月、鳥居のトンネルが続く根津神社のつつじまつりを見る
- 築200年の銭湯を改装したギャラリー、SCAI THE BATHHOUSEを訪れる
- JR山手線・京浜東北線(日暮里駅、西口)
- 東京メトロ千代田線(根津駅・千駄木駅)
- 成田空港からは京成線(日暮里駅)
谷中のスポット
4件のスポット根津神社
東京でも屈指の古社で、1706年に建てられた社殿がすべて当時のまま残っています。楼門、透塀、日光東照宮と同じ漆塗りの権現造りの社殿、そして毎年4月に色彩が爆発するつつじの斜面。5代将軍が世継ぎのために建てたもので、近くに住んでいた文豪の漱石…
谷中銀座
1950年代からほとんど変わらない、60軒の小さな店が並ぶ170メートルの商店街で、1923年の関東大震災と1945年の空襲の両方を免れた街の中心にあります。精肉店は注文を受けてからコロッケを揚げ、お茶屋は店先でほうじ茶を焙じ、本物の猫と木…
SCAI THE BATHHOUSE
スカイザバスハウス「柏湯」という名の創業200年の銭湯を、1993年に東京で最も評価の高い現代美術ギャラリーのひとつに生まれ変わらせた場所です。かつて天窓の下で人々が湯に浸かっていた高い天井の空間には、今では李禹煥、アニッシュ・カプーア、宮島達男、森万里子ら…
谷中霊園
日暮里駅と谷中の寺町のあいだの尾根に広がる10ヘクタールの霊園で、墓と桜と猫に満ちています。1874年に寺の土地に整備されました。7,000基の墓には、最後の徳川将軍、画家の横山大観、そして明治の政治家たちの名がずらりと並び、1957年に焼…